Argentumの破茶滅茶日記(´・ω・)
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Argentumですこんばんわっ
まぁなんか小説のことなんですけど
一応ブログ上で連載する形で、ということに
で、特にカテゴリ分けせずに、連載で読む場合はブログ上、途中からで最初から読む場合はちょこっとダウンロードって感じで試してみようかと
ブログ上だと色々ごちゃごちゃしちゃって・・・・・・勘弁です(’’
と、いうことで。
2章(中)を再度UPしておきますね
Argentumですこんばんわっ
まぁなんか小説のことなんですけど
一応ブログ上で連載する形で、ということに
で、特にカテゴリ分けせずに、連載で読む場合はブログ上、途中からで最初から読む場合はちょこっとダウンロードって感じで試してみようかと
ブログ上だと色々ごちゃごちゃしちゃって・・・・・・勘弁です(’’
と、いうことで。
2章(中)を再度UPしておきますね
第2章
――The decision that it is the worst――其は最悪の決断
殺那は思う。どうしたものか、と。
シャワーを浴びた今、全裸に腰にタオルを巻いた姿で髪を拭きながら、今起きていたことを考える。
洗面所の入り口正面。洗面台の鏡に映る自分の顔は、どことなくやつれて見えた。
つい先ほど、リーラの喉元を目掛けて切り付けた男から咄嗟に彼女を守ろうとしたところ、完全に守るだけのリーチが足りなかったために、背中を浅く切りつけることしか出来なかった。結果、男の短剣は彼女の喉から外れたが、右肩を深くえぐることになった。命に別状はないが、相当深い傷だったので、今は友人の神官に来てもらっている。わざわざウィスパーで寝ているところを起きてもらった。今こちらに向かっており、もうじき到着するだろう。その間、リーラの傷の応急処置をして、返り血や汗を落とすためにシャワーを浴びることに成った。
男たちのことはよく分からないが、リーラの傷に目を奪われている隙に死体共々完全に消えていた。
一体何者なのだろうか。
係わり合いになりたくなかったが、こうなったら理由を問いたくなる。
リビングに戻ったら色々問い詰めることになるだろう。
思いながら、服を着る。見れば、窓からは朝日が差し込んでいる。もう朝になったのだろうか。明日――と言っても日付では今日なのだが――も騎士団の仕事があるため、非常に憂鬱だ。一日中眠そうな気がする。
とにかくリビングへ戻ろう。飛び散った血糊の始末もしなければならない。
殺那がリビングに戻れば、血や足跡その他諸々で荒れていたリビングが、すっかり綺麗に元通りになっていた。
正面、テーブルに突っ伏していたリーラが、腕の痛みに顔を歪めながらこちらに向いた。
「・・・・・・これは、あんたが?」
「あ、はい。とりあえず元に戻しておきました・・・・・・」
ふむ。
この女はなかなか魔法が得意のようだ。
血糊を消すくらいなら簡単なことだが、椅子やテーブル、床などは壊れている部分もあった。それまで元に戻すのはそれなりの技術が必要だ。物質の再構成は比較的難しい。
それを、痛みに耐えながらという精神的に不安定な状態で行うとは。
「・・・・・・それについては礼を言っておく。で、色々聞くことになるから覚悟しろよ?いいな」
出来るだけ棘のないように勤めたが、やはり不快感は声に出てしまっているだろうか。
「・・・・・・はい」
それにも、しおらしくうなずく。言いたくないことなのだろうが、ここまで巻き込まれれば問わなければ気がすまない。最も、色々言われても納得できるかどうかはわからないが。否、多分納得できないだろう。そういうものだ。
殺那が口を開こうとすると、音がした。それは玄関の方からで、ノックの音だ。
「おーい、殺那?開けてくれー」
声は若い男のもの。殺那が呼んだ神官のものだ。
まだ皆寝ているというのに、近所迷惑な奴だ、と思いつつ、玄関に向かう。
戸を開ければ、まだ薄暗い外に青年がいた。まず目に留まるのは、男にしてはやや長い金髪と、その髪と同じ金の瞳。
「・・・・・・近所迷惑という言葉を知っているか?スカーさんよ」
「・・・・・・寝ている友人叩き起こして言うことがそれかい殺那さんや」
スカー――スカーレットと言う名の殺那の古い友人は、その笑みの口を若干歪めて殺那に答える。
古い、殺那がスラムにいたころからの友人だ。常にどことなく笑顔を浮かべているのは昔からだ。
「それで、そのけが人というのはどこ?」
「嗚呼、中に入ってくれ」
言えば、スカーは中に入り、そのままリビングへ歩いていく。戸を閉めて、そのまま殺那も後を追う。
部屋に入り、リーラを見れば、その笑顔は驚きに変わる。
「ちょっ、酷い怪我じゃないか。どうしたのさ」
言いながらリーラに駆け寄り、彼女が何かを言うよりも早く、その肩と腕の傷の包帯を解いていく。
見れば、彼女の包帯は血で染まっていた。まだ血が止まってなかったのだろうか。
包帯を解き、傷にヒールをかける様を、テーブルを挟んで前の椅子に座りながら見守る。
ほんの数秒で、彼女の傷は傷跡も残さずに癒えた。神の奇跡と言われるこの技術が、魔法と同じ原理なのを知るものはどれだけいるのだろうか。
「あ・・・・・・有難う御座いました。あなたは・・・・・・」
「スカーレット。スカーでいいよ。それに、礼なんていらない。けが人の手当てをするのは当然のことだからね。そして、あなたのお名前は?」
殺那の隣に座りながら、答え、すぐに問い返す。
「・・・・・・リーラ=エスペラントといいます。本当に有難う御座いました」
言って、深く頭を下げた。
と、スカーが座ったばかりの椅子を倒すほどの勢いで立ち上がった。
「リーラ=エスペラントだって?殺那!この人・・・・・・」
「分かってる。分かっているよスカー。だから落ち着け」
「分かってるって・・・・・・落ち着けっていったって、この人、国際指名手配犯と同じ名前じゃないか!」
殆ど叫びに近い声色で殺那に言いながら、リーラを指差す。
「だから分かっていると言っているだろう。だからもう一度言う。落ち着け」
当然の反応だ。思い、テーブルに頬杖をつき、面倒そうに答える。
「・・・・・・っ!」
スカーは釈然としないといった表情で椅子を起こし、再び座る。
リーラに振り向けば、彼女は驚きの表情を浮かべている。
「指名手配・・・・・・?どういうことですか・・・・・・?」
消え入りそうな声でたずねてくる。一方スカーはとげとげしい口調で、「そうだよ。ユミルの爪角を強奪したとかで、シュバルツバルドから手配されてる。昨日から教会で君の捜索が開始されてるよ。殺那がいなければ、すぐに教会に突き出してるさ」
答えれば、彼女の顔色が青くなっていく。やはり、自分が手配されていることを知らなかったのだろうか。
「そんな・・・・・・こんなに早いなんて・・・・・・」
聞こえないほどの小声で独り言をつぶやく彼女に、殺那は
「とりあえず、だ。今回のことは、その手配されていることと関係してると見ていいのか?」
「殺那!そんなことより早く教会にでも騎士団にでも連れて行こうよ!国際的に手配されてるんだよ?いつ何をするか――」
「落ち着けと言っているだろうに・・・・・・。それに、引き渡しちまったら、俺たちみたいな下っ端じゃもう面会も許されないだろうさ。二度と会えず、満足な説明も聞けないだろうよ。だから、その前に色々聞いておく。そういうことだよ。さっき何があったのかも含めて、そこの彼女が説明してくれるだろうさ」
言い、リーラに向けば、青白くなった顔を上げて、わずかに頷いた。
「はい・・・・・・やはり、言わなければいけませんよね。ここまで巻き込んでしまいましたし・・・・・・」
「出来れば、満足のいく説明をしてもらいたいところだ。俺が満足できるかどうかは保障しないが。
連行するのはその後でもいいだろう?スカー」
「・・・・・・わかったよ」
釈然としない表情のまま、スカーはリーラへ向く。
殺那も、彼女に向かいなおす。
「それでは、お話します。言っておいたほうがいいでしょう・・・・・・。私が何を言っても、ただの言い訳にしか聞こえないかも知れませんが、私が言うことは全て真実です。それだけは・・・・・・信じてください」
「信じる信じないは、話を聞いてから判断するもんだが?」
「・・・・・・そうですね。それではお話します。
先ほど襲ってきた彼らについては分かりませんが・・・・・・私が――いえ、私たちが何故ユミルの爪角を奪ったのか、そして何故、正規の軍でもない人が私を追ってくるのか。それについて、私の知る限り全てをお話します」
そして、彼女は語りだす。
聞かなければ良かったと殺那が後悔したのは、すぐ後のことだった。
聞かなければ、このまま平穏な日常に戻れたのに。
――The decision that it is the worst――其は最悪の決断
殺那は思う。どうしたものか、と。
シャワーを浴びた今、全裸に腰にタオルを巻いた姿で髪を拭きながら、今起きていたことを考える。
洗面所の入り口正面。洗面台の鏡に映る自分の顔は、どことなくやつれて見えた。
つい先ほど、リーラの喉元を目掛けて切り付けた男から咄嗟に彼女を守ろうとしたところ、完全に守るだけのリーチが足りなかったために、背中を浅く切りつけることしか出来なかった。結果、男の短剣は彼女の喉から外れたが、右肩を深くえぐることになった。命に別状はないが、相当深い傷だったので、今は友人の神官に来てもらっている。わざわざウィスパーで寝ているところを起きてもらった。今こちらに向かっており、もうじき到着するだろう。その間、リーラの傷の応急処置をして、返り血や汗を落とすためにシャワーを浴びることに成った。
男たちのことはよく分からないが、リーラの傷に目を奪われている隙に死体共々完全に消えていた。
一体何者なのだろうか。
係わり合いになりたくなかったが、こうなったら理由を問いたくなる。
リビングに戻ったら色々問い詰めることになるだろう。
思いながら、服を着る。見れば、窓からは朝日が差し込んでいる。もう朝になったのだろうか。明日――と言っても日付では今日なのだが――も騎士団の仕事があるため、非常に憂鬱だ。一日中眠そうな気がする。
とにかくリビングへ戻ろう。飛び散った血糊の始末もしなければならない。
殺那がリビングに戻れば、血や足跡その他諸々で荒れていたリビングが、すっかり綺麗に元通りになっていた。
正面、テーブルに突っ伏していたリーラが、腕の痛みに顔を歪めながらこちらに向いた。
「・・・・・・これは、あんたが?」
「あ、はい。とりあえず元に戻しておきました・・・・・・」
ふむ。
この女はなかなか魔法が得意のようだ。
血糊を消すくらいなら簡単なことだが、椅子やテーブル、床などは壊れている部分もあった。それまで元に戻すのはそれなりの技術が必要だ。物質の再構成は比較的難しい。
それを、痛みに耐えながらという精神的に不安定な状態で行うとは。
「・・・・・・それについては礼を言っておく。で、色々聞くことになるから覚悟しろよ?いいな」
出来るだけ棘のないように勤めたが、やはり不快感は声に出てしまっているだろうか。
「・・・・・・はい」
それにも、しおらしくうなずく。言いたくないことなのだろうが、ここまで巻き込まれれば問わなければ気がすまない。最も、色々言われても納得できるかどうかはわからないが。否、多分納得できないだろう。そういうものだ。
殺那が口を開こうとすると、音がした。それは玄関の方からで、ノックの音だ。
「おーい、殺那?開けてくれー」
声は若い男のもの。殺那が呼んだ神官のものだ。
まだ皆寝ているというのに、近所迷惑な奴だ、と思いつつ、玄関に向かう。
戸を開ければ、まだ薄暗い外に青年がいた。まず目に留まるのは、男にしてはやや長い金髪と、その髪と同じ金の瞳。
「・・・・・・近所迷惑という言葉を知っているか?スカーさんよ」
「・・・・・・寝ている友人叩き起こして言うことがそれかい殺那さんや」
スカー――スカーレットと言う名の殺那の古い友人は、その笑みの口を若干歪めて殺那に答える。
古い、殺那がスラムにいたころからの友人だ。常にどことなく笑顔を浮かべているのは昔からだ。
「それで、そのけが人というのはどこ?」
「嗚呼、中に入ってくれ」
言えば、スカーは中に入り、そのままリビングへ歩いていく。戸を閉めて、そのまま殺那も後を追う。
部屋に入り、リーラを見れば、その笑顔は驚きに変わる。
「ちょっ、酷い怪我じゃないか。どうしたのさ」
言いながらリーラに駆け寄り、彼女が何かを言うよりも早く、その肩と腕の傷の包帯を解いていく。
見れば、彼女の包帯は血で染まっていた。まだ血が止まってなかったのだろうか。
包帯を解き、傷にヒールをかける様を、テーブルを挟んで前の椅子に座りながら見守る。
ほんの数秒で、彼女の傷は傷跡も残さずに癒えた。神の奇跡と言われるこの技術が、魔法と同じ原理なのを知るものはどれだけいるのだろうか。
「あ・・・・・・有難う御座いました。あなたは・・・・・・」
「スカーレット。スカーでいいよ。それに、礼なんていらない。けが人の手当てをするのは当然のことだからね。そして、あなたのお名前は?」
殺那の隣に座りながら、答え、すぐに問い返す。
「・・・・・・リーラ=エスペラントといいます。本当に有難う御座いました」
言って、深く頭を下げた。
と、スカーが座ったばかりの椅子を倒すほどの勢いで立ち上がった。
「リーラ=エスペラントだって?殺那!この人・・・・・・」
「分かってる。分かっているよスカー。だから落ち着け」
「分かってるって・・・・・・落ち着けっていったって、この人、国際指名手配犯と同じ名前じゃないか!」
殆ど叫びに近い声色で殺那に言いながら、リーラを指差す。
「だから分かっていると言っているだろう。だからもう一度言う。落ち着け」
当然の反応だ。思い、テーブルに頬杖をつき、面倒そうに答える。
「・・・・・・っ!」
スカーは釈然としないといった表情で椅子を起こし、再び座る。
リーラに振り向けば、彼女は驚きの表情を浮かべている。
「指名手配・・・・・・?どういうことですか・・・・・・?」
消え入りそうな声でたずねてくる。一方スカーはとげとげしい口調で、「そうだよ。ユミルの爪角を強奪したとかで、シュバルツバルドから手配されてる。昨日から教会で君の捜索が開始されてるよ。殺那がいなければ、すぐに教会に突き出してるさ」
答えれば、彼女の顔色が青くなっていく。やはり、自分が手配されていることを知らなかったのだろうか。
「そんな・・・・・・こんなに早いなんて・・・・・・」
聞こえないほどの小声で独り言をつぶやく彼女に、殺那は
「とりあえず、だ。今回のことは、その手配されていることと関係してると見ていいのか?」
「殺那!そんなことより早く教会にでも騎士団にでも連れて行こうよ!国際的に手配されてるんだよ?いつ何をするか――」
「落ち着けと言っているだろうに・・・・・・。それに、引き渡しちまったら、俺たちみたいな下っ端じゃもう面会も許されないだろうさ。二度と会えず、満足な説明も聞けないだろうよ。だから、その前に色々聞いておく。そういうことだよ。さっき何があったのかも含めて、そこの彼女が説明してくれるだろうさ」
言い、リーラに向けば、青白くなった顔を上げて、わずかに頷いた。
「はい・・・・・・やはり、言わなければいけませんよね。ここまで巻き込んでしまいましたし・・・・・・」
「出来れば、満足のいく説明をしてもらいたいところだ。俺が満足できるかどうかは保障しないが。
連行するのはその後でもいいだろう?スカー」
「・・・・・・わかったよ」
釈然としない表情のまま、スカーはリーラへ向く。
殺那も、彼女に向かいなおす。
「それでは、お話します。言っておいたほうがいいでしょう・・・・・・。私が何を言っても、ただの言い訳にしか聞こえないかも知れませんが、私が言うことは全て真実です。それだけは・・・・・・信じてください」
「信じる信じないは、話を聞いてから判断するもんだが?」
「・・・・・・そうですね。それではお話します。
先ほど襲ってきた彼らについては分かりませんが・・・・・・私が――いえ、私たちが何故ユミルの爪角を奪ったのか、そして何故、正規の軍でもない人が私を追ってくるのか。それについて、私の知る限り全てをお話します」
そして、彼女は語りだす。
聞かなければ良かったと殺那が後悔したのは、すぐ後のことだった。
聞かなければ、このまま平穏な日常に戻れたのに。
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